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セミナー・シンポジウム

タイトルERATO東山ライブホロニクスプロジェクトセミナー (野田口理孝博士)
開催日2012年7月6日 15:00~16:00
会場名古屋大学 理学南館1階 理学セミナー室(SS107)

カリフォルニア大学Davis校でポスドクをされていました野田口理孝博士が、7月1日よりERATO東山ライブホロニクスプロジェクト・シングルセルオミクスグループの研究員として着任されました。
着任に合わせて、野田口博士にセミナーをしていただくことになりました。

■演者:野田口理孝博士
■タイトル:情報高分子の篩管内輸送を介した長距離シグナリングの理解を目指して
       -Aux/IAA mRNA の根端への輸送と側根形成の制御-
■日時:2012年7月6日(金) 15:00~
■場所:名古屋大学理学部南館1階セミナー室(SS107)

要旨
 篩管は、光合成産物を全身に分配する組織として働き、くわえて情報伝達の経路としても機能することが明らかにされつつある。顕著な例として、花成ホルモン・フロリゲン/FTタンパク質が知られる。私は京都大学の荒木崇先生のもとで、FTタンパク質が成熟した葉から新たな器官が作られる茎頂へ輸送され、花成が促進されることを、接木実験によって検証した。一方、これまでに様々な植物で篩管液が解析され、植物ホルモンなどの小分子の他に、多くのタンパク質やRNA 分子種が同定されており、植物は離れた器官の間で精密に情報を交換している可能性がある。
 UC Davis の William Lucas 先生の研究室では、mRNAの輸送の一例として、植物ホルモン・オーキシンのシグナル伝達経路上で働く Aux/IAA に着目した。IAA mRNAは、ウリ科植物の接木実験においてその輸送が確認されており(Omid et al., 2007)、はじめにこれを追証した。機能解析のためにシロイヌナズナに研究をシフトすることにし、2段階のスクリーニングにより長距離輸送されるIAA mRNAを同定した。一つ目として、篩管を移行するシグナルは篩部で産生されるという仮説のもと、葉の維管束リッチなサンプルを用いた発現解析を行った。二つ目として、シロイヌナズナとN. benthamiana を用いたヘテロ接木を行い、シロイヌナズナから N. benthamiana へ移行した mRNAを調べた。GUS レポーター形質転換体を
用いた発現解析および優性変異体を用いた接木実験により、IAA mRNAは根端へ輸送されること、IAA mRNA の輸送が側根形成に影響することが示唆された。
 次は名古屋大学の東山哲也先生とそのチームと共に、特定の環境下で産生する因子の探索や輸送の可視化といった課題に挑戦し、個体レベルの情報伝達を基盤とする現象にアプローチしたい。


野田口博士は、接ぎ木による物質の長距離シグナル伝達に関する研究の第一人者です。
直前のお知らせとなりましたが、皆様ぜひご参加ください。

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